2014年8月20日水曜日

ファレルの曲の始まり方が一辺倒な件

あるとき、Paloma Faithの『Can't Rely On You』を聴いた後で、Jennifer Hudsonの『I Can't Describe』を聴いたときのこと――。


Pharrel Williamsがプロデュースしたこれらの曲を聴いていて、既視感ならぬ既聴感を抱いた。
どちらも同じく、四拍のビートを最初に挟んでから曲が始まる。


他にこういう始まり方をする曲といえば、パッと思い浮かぶのはGnarls Barkleyの『Crazy』やEveの『Figure You Out』くらいだ。


まさかPharrellのプロデュース曲はこんな始まりばかりなのではないか。
そう思い立って調べてみた。


すると、あるわ、あるわ、最近だけでなく数年前からこの手の技を使っていたようだ。
ここにPharrellプロデュースの主な四拍のビートで始まる曲を列挙したいと思う。

Kelis - Milkshake
Usher - Twisted
Conor Maynard - Contrast
Pit Bull - Jeaulouso
Gloria Estefan - Say Ay
T.I. - Hello
Kelly Rowland - Feet To the Fire
Jay Z - BBC
Mayer Hawthorne - Reach Out Richard
John Legend - Aim High
Nelly - Maryland, Massachusetts
Miley Cyrus - 4 x 4, #GetitRight
Kylie Minogue - I Was Gonna Cancel
Robin Thicke - Blurred Lines
Azealia Banks - ATM Jam
Paloma Faith - Can't Rely On You
Jennifer Hudson - I Can't Describe

更にPharrell本人の曲だと
How Does It Feel?
Raspy Shit
Best Friend
Angel
Young Girl/ I Really Like You
Take It Off
Stay With Me
Happy
Marilyn Monroe
Brand New
Hunter
Happy
Gust Of Wind
Know Who You Are


こんなにあるのだ。
数えてはないが、全プロデュース曲の半数近くはあるだろう。


このことは複数のインターネットメディアが報じていて、中には「Pharrell can't write good intro」などという声もあるようだ。


一方で、これはPharrellの落款だという意見もある。


音楽における落款と言えば、Rodney JerkinsやMissy Elliottなどのプロデュース曲で本人や歌手が「Dark Child」や「Missy」などと名を囁く、あれだ。


Pharrellの場合は名乗ることもなく、四拍刻んでから始まる。
音楽を奏でる者、音で勝負ということだろうか。


この四拍は一体何か、考えてみる。
楽器でこういう音を出すことがあるのは、ドラムだ。
曲を始める合図に、スティックで拍を取る。
それなら、この四拍のビートはフロアに対する準備の合図か。


では、この効能はなんだろう。
四拍打つことで、後の疾走感の予兆を伝えてくれる。


多分それは、ジェットコースターやF1のスタートシグナルなどの興奮体験を彷彿させるからではないだろうか。


しかし、これだけお決まりの始まり方をしてしまうと、四拍のビートから曲が始まることが「Pharrell」と呼ばれる日が来るかもしれない。
頭に巻くターバンがアフリカでBaduと呼ばれたことがあるように。

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