2016年10月10日月曜日

ダンスホールレゲエが流行った夏

今年の夏はラジオからよくダンスホールレゲエ調の曲が流れた。
Major LazerやDaya、Fifth Harmony、Siaの『Cheap Thrills』、Justin Bieber、Drake、Rhianna、Beyonce『Sorry』、ムーなど。
大体裏打ちのシンセと裏打ちのハットの合いの手が聞こえてきたら、もうダンスホールレゲエ調のノリの確定である。



流行の視点抜きにして最近の音楽を聴いてみれば、クラブミュージック界では確かに昔からやっていそうな音楽と言えなくもない。
真のダンスホールレゲエと違うのは、歌手がバリバリのジャマイカ訛りで際どい歌詞を歌っていないことくらいことくらいだ。



夏らしいと言えば夏らしい音だが、夏だからという理由だけで流行ったわけでもない気がする。
この流れはどこから来たのだろうか。



ダンスホールレゲエと言えば、この人、Sean Paulはこの流れを作ったのはMajor Lazerだと言う。
そして、散々行われてきた文化盗用の議論よろしく、ジャスティン・ビーバーやドレイクは自分たちのやっている音楽がレゲエだと明言していないと摘発する。



確かに、ダンスホールレゲエが流行するきっかけはMajor Lazerかも知れない。
しかし、その前からこのレゲエへと向かっていくゆっくりとした前進は存在した気がするのだ。



僕の少ない頭の中の音楽名鑑を探れば、2009年グウェン・ステファーニ『リッチ・ガール』、2010年リアーナ『ワッツ・マイ・ネーム』、2013年のエリー・ゴールディング『バーン』が、メジャーなダンスホールレゲエ風音楽がポップチャートに登場した例だと思う。
2014年のMagic!の『Rude』のヒットも、人々のレゲエへの親和性を高める効果があったかもしれない。



思えば、ここ5年くらいでクラブレゲエの腰振り踊り、Twerkが格段に知名度を上げたのも、音楽の流行と関係しているのではないだろうか。
だとすると、マイリー・サイラスのVMAでの卑猥ダンス事件も流行の過程と言えるのではないだろうか。



ただこの流れの核となるDiploは昔からクラブレゲエやバイレファンキ、クドゥルなどの非西洋世界の音楽やドラムリズムを取り扱ってきたということを考えれば、本人は山のように不動で安定しているのだ。