2015年1月8日木曜日

リアーナ風音楽を白人のオバサンがやってみた結果

去年、Rihanna風音楽で一世を風靡した白人のオバサン。
それは1975年生まれの芸歴21年のオーストラリア人アーティスト、Siaのことだ。



勘違いしないでいただきたいのは、ここで言う「オバサン」とは、マツコ・デラックスが大人の女性に向かって使う「ババア」と用語法的に同義であり、蔑称ではない。
寧ろ親しみを込めて用いている点、強調したい。



なぜならこの種の厚めのビートに乗った若者世界の歌詞を歌うのは、ファッションリーダー的な若くてカッコいい女を演じるアーティストのすることだったから、そういう世代からみるとSiaは「ババア」なのだ。



Siaが世間に知られるようになるにはいくつか段階かあった。
「Breathe Me」がアメリカのテレビドラマ“Six Feet Under”でのエンディング曲となった2005年。
David Guettaとの「Titanium」がヒットした2011年。
5作目のアルバム“1000 Forms of Fear”からの1stシングル「Chandelier」がヒットした2014年。



過去の作品と今作を聴き比べると曲調がだんだんと流行に近づいて来ている。
最新作“1000 Forms of Fear”にはRihannaやBeyonceが歌っても違和感がないような曲がたくさん収録されている。



最近の提供曲Rihannaの「Diamonds」、Beyonceの「Pretty Hurts」、Katy Perryの「Double Rainbow」にも見られることだが、単語数が少なめで、モチーフとなる物質が何度も登場し、音楽を埋めるために同じ歌詞が連呼される。



単語連呼系はLady Gagaくらいから顕著になったと思うが、やはりRihannaっぽい。
Jessie Jの「Do It Like A Dude」も単語連呼系で、元々Rihannaに提供するはずの楽曲だった。



Siaの歌詞に頻出するテーマは、「富への渇望」と「物質性」だ。
下の動画を見ていただくと、“I'm soon to be rich”と述べたり、3分25秒くらいから豪奢に対する欲について語っている。




Siaは近年のメディアからの素顔の隠蔽については、私生活を名声によって台無しにされた沢山の歌手の友達がいるからとしている。
ここに富の裏側、豪奢の影の部分を見る目が垣間見れる。



「Pretty Hurts」は美への追及に疲労困憊する姿が、「Chandelier」は満身創痍でパーティとお酒に明け暮れる若い女性の姿が描かれていて、どちらも痛々しい。
豪華なファッションに憧憬を抱く若い女性の現実世界は、長らくRihannaが広報担当だったのだが、昨年Siaという39歳のベテランが中途入社し、これが世間的には受けたようだった。



今頃彼女は豪華な暮らしを満喫しているのであろうか。