2014年8月2日土曜日

レディー・ガガとアンディ・ウォーホル

Lady Gagaが出てきたとき、若い世代からは斬新だと受け止められたが、その他の世代では色々な人が既視感を訴えた。
Madonnaは
She is obsessed with me
と言い、Grace Jonesは
I'd rather work with someone who is not copying me
と突き放した。



それはまるで、映画『千と千尋の神隠し』が上映された後に、複数の観光地が映画の舞台になったと主張したときのようだ。
結局映画の世界観はどの候補地にもどことなく似ているが、瓜二つの場所はなかった。
Lady Gagaも同様に、Madonnaの生き写しでも、Grace Jonesの後釜でもない。



しかしながら、彼女がもっともっと強く意識して模倣した人がいた。
それがAndy Warholである。
彼女のデビューアルバムはGaga本人は「80年代、ニューヨーク、執念」がテーマだと言ったが、それはさしずめAndy Warholという現象そのものであった。



3rdアルバム発売に際し、公式に「The intention of the album was to put art culture into pop music.」であるため
ARTPOP is reverse of Andy Warhol.
だと述べたGaga。
1stのAndyの模倣を知っている人には、これ自体には新鮮味はない。



Andyの名言集『とらわれない言葉』(アンディウォーホル美術財団編、青志社、2010年)からの言葉とGagaの1stの歌詞を見比べてみよう。



プラスチックについて
p118
ロサンゼルスが好きだ。ハリウッドが好きなんだ。美しいよね。みんなプラスチックみたいで。
僕はプラスチックが好きなんだ。僕もプラスチックになりたい。

PAPARAZZI
Real good, we dance in the studio
Snap, snap to the shit on the radio
Don't stop for anyone
We're plastic but we still have fun

BEAUTIFUL DIRTY RICH
We live a cute life
Soundfanatic
Pants tighter than plastic, honey
But we got no money



名声について
p166
誰もが15分間なら有名人になれる、いずれそんな時代がくるだろう。

THE FAME
I can't help myself
I'm addicted to a life of material
It's some kind of joke
I'm obsessively opposed to the typical
All we care about is, runway models, Cadillacs and liquor bottles
Give me something I wanna be, retro glamour
Hollywood, yes, we live for the fame
Doin' it for the fame
Cuz we wanna live life of the rich and famous



Andyはこれだけにとどまらず、ファッションや最新機器などについて、時代の先端的思考を持っていた。
Gagaはそれを再利用し、イビザのクラブ風の音楽に乗せて、クラブ文化と融合した。
有名になりたいという欲望が、SNSを通してさらに黒い怪物と化すのは、Gagaデビューからすぐの先進国でのことだった。
リバイバルとはいえGagaのコンセプトは、テレビが人々の注目を集めたAndyの時代と違い、SNSが人々の名声欲を強める時代を先読みしていたかのようであった。

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